翻訳会社ソリュテック

翻訳会社は福岡へ

ある翻訳会社の福岡への軌跡

福岡にシフトした大分生まれの翻訳会社−なぜ福岡に活動の場を移したのか?

翻訳会社ソリュテック
代表 田吹 清己

大分生まれの翻訳会社ソリュテックが、なぜ福岡に活動の場を移したのか? 大分での会社創業から福岡へのビジネス・シフトに至るまでの経緯をまとめた。


会社の創業

私は東京生まれ東京育ちである。しかし、私の両親が大分出身であり、子供時代の夏休みは大分で過ごすことが多かったこともあって、大分の国東半島の青い空、青い海、楽しい思い出は自分にとって、なにものにも代えがたい貴重なものであった。

そのような大分に対する思い入れに加わり、大分の親類の支援、大分の人材に対する期待などから大分で創業した。(大分で創業した理由の詳細

創業した1995年は独自の技術で高い利益率確保しながら、順調に事業を進めることができた。理由は、東京の企業とのしっかりとした取引が行えたからである。大分で創業したとは言え、私が東京の企業とのつながりが深かったため、東京の大企業を最初から顧客に持つことができたのである。

そして、創業から暫くの間、弊社が大分で業務を行うことで、大分は弊社が東京の企業から得たマネーを税金という形で大分に落とすのみならず、大分の社員に支払う給与や外注先への支払い、そして物品やサービスの購入などを通じて大分経済の発展に多少なりとも寄与してきた。

不況という名の嵐の襲来

ところが、創業後しばらくすると次第に取引先の会社の調子が悪くなってくる。そう、平成大不況がやってきたのである。顧客の会社で事業の凍結・縮小が相次ぎ、外資系の会社の中には日本から撤退したところも出た。当然、急速に業績が悪化した。特に、半導体関連で大型の受注予定が3件あったのだが、それらが立て続けにキャンセルになったのは痛かった。それだけではない、主要な取引先の1つが社会的な問題を起こし、そこからの受注も無くなってしまったのである。創業以来の大ピンチだ。創業して数年目で来ると言われるデス・バレー(死の谷)は難なく乗り越えたものの、このままでは座して死を待つのみという感じになってきた。

まずは固定費の削減に取り組んだ。断腸の思いで社員を解雇。借りていた立派なフロアからも退去。その他諸々、出来ることは何でもやった。会社というのは、知らず知らず余分な脂肪が貯まってしまうもので、スリムにするのが非常に大変だということを思い知る。



目指せ新天地・福岡

大分で8年近くも活動したのに、結局、仕事を任せられる人間には巡り会えなかった。 それどころか、会社の力を削ぐような人間に悩まされた。 中には真面目に仕事をする優秀な人もいるにはいたが、結局、 役員の1人が自分の会社を作り、言葉巧みに引き抜いていった。 そこで感じたのは、優秀な人材は県外に出て行ってしまい、大分に残り就職先を求めている人間の多くは採用するには不適切であるということだった。 また、大分の行政も産業政策面では、せいぜい当時県知事だった平松氏が頑張った程度で、その他については無策と言って良い状態であった。 大分では人材や行政が貧弱

将来の展望が描けず、じり貧になる中、大分での事業を縮小すると同時に、九州経済の中心地である福岡の市場開拓に乗り出すこととした。 大分で実際にビジネスを行った人だったらわかると思うが、大分は福岡の影響を強く受けている。

例えば、お客様は大分よりも福岡の方が圧倒的に多い。 今はインターネットで仕事の受注を主に行っているので事情は違うが、当時はまだ直接お客様の所に顔を出さなければ仕事をもらえないことも多かった。 そうすると、福岡のお客さんから呼ばれると、大分から福岡まで打ち合わせで行く羽目になる。これは時間的にも交通費的にもバカにならない。 今であればインターネット経由の翻訳依頼で十分であり、わざわざそれほどの時間と労力をかけて注文を取る必要は無いのだが、当時は、まだベンチャー色の強い駆け出しの会社であったため、少しでもチャンスがあれば食いついて行かなければならなかったのだ。

ビジネス・ショー、商談会、セミナーなどのイベントもそうだ。 これらのイベントは大分ではほとんど行われず、また、行われても効果はほとんど無い。 必然的にそのようなイベントで会社の存在をPRしようとすると、九州経済の中心である福岡まで行かなければならない。 大分でビジネスを行っていた時代、良く、福岡市や北九州市のイベントに出向いて会社や製品などのPRを行ったものだ。 そのような背景があり、合理的にビジネスを行うには福岡に進出するしかないと感じるようになる。

福岡における飛躍

そして、今、本社は大分に置いたままではあるが、実質的に福岡を中心で事業を行う体制にした。その結果、業績は急上昇したのである。福岡には企業も人材も豊富だ。特に、福岡の企業は海外に打って出ようというパワーを持った所が多い。しかも、東京の子会社として実質的な業務を福岡で行うケースも多く、翻訳サービスや通訳サービスに対する需要は多い。今や、福岡の翻訳や通訳は弊社の独壇場と言っても過言では無い。

翻訳サービスが活況になっただけではない。新たに美容と健康に良いとされるプラセンタやヒアルロン酸の健康食品や化粧品の取り扱いを開始し、インターネットでトップクラスに躍り出た。 

福岡で業績が好調な理由をまとめると。

 (1) 福岡はレベルの高い人材が多い。つまり企業として戦える。
 (2) 海外にも進出しようとするチャレンジ精神を持つ顧客が多い。

まず(1)の「福岡はレベルの高い人材が多い」ということであるが、福岡は九州経済の中心地であって、東京まで行くのはいやだけど九州圏内だったらいいと考える九州の優秀な人が集まっている。大分で人材問題で苦しんできただけに、福岡で優秀な人材を得ることができたのは一番ありがたかった。

次に(2)の「海外にも進出しようとするチャレンジ精神を持つ顧客が多い」ということであるが、これは大きく3つの要素が考えられる。新しいもの好きな県民性、すぐ隣に韓国があるという地理的要因、東京のドーナツ化現象の3要素である。

福岡で業績が好調な理由の詳細については、追々、福岡における翻訳会社の運営や勢力状況などを分析した翻訳会社は福岡で活動するのが一番という別サイトでとりまとめる予定である。


福岡における拠点拡大

福岡県は大きく分けて福岡市を中心とする文化圏と北九州市を中心とする文化圏の2大文化圏から構成される。 もちろん、県の西側に位置する県庁所在地である福岡市が中心だが、東側に位置する北九州市の比重が年々高まっている。

近年、北九州市及びその周辺には自動車産業の集積が進み、経済活動が活発になり、国際的なビジネスの需要も増大した。 それに伴い、北九州市及びその周辺における翻訳や通訳のニーズも増えた訳だが、北九州市は福岡市から離れていることもあり福岡市だけの拠点では北九州市までカバーすることは困難である。 従って、我々は福岡トップの翻訳会社・通訳会社であるべく、福岡市だけではなく北九州市にも拠点を設けることとした。 → 翻訳会社ソリュテック福岡翻訳センター北九州門司分室


福岡における拠点整理

当初、北九州市に設けた拠点翻訳会社ソリュテック福岡翻訳センター北九州門司分室は附加的なものだったが、実際に北九州市で活動を行ってみると、思ったより福岡市へのアクセスが良いことに気がつく。

(余談) 翻訳会社ソリュテック福岡翻訳センター北九州門司分室は門司港レトロで有名な門司港にあるが、門司港〜博多間は、およそ1時間(小倉あるいは門司港〜博多間を特急で移動した場合)であり、特急のリラックスできるシートでくつろいでいる間に移動できてしまう。料金も 「4枚きっぷ」 を使えばとてもリーズナブルだ。 (使用期間2ヶ月という制約付ながら1枚あたり1200円と格安) さらに時間が無くてピンチの場合には新幹線を使う手もある。 小倉駅での乗り継ぎ時に構内を走れば門司港〜博多間をたった30分で移動できる可能性が高い。

もともと、郵送や電子メールなどで原稿を受け取り、納品するというスタイルなので、頻繁に顧客の会社に足を運ぶことは無い。 いざという時に行ける距離にあれば良いわけで、福岡市のオフィスを廃止して北九州市のオフィスに統合しても支障が無いと判断。

翻訳会社ソリュテック福岡翻訳センター北九州門司分室は自社保有であり、賃貸の場合のように高いフロアコストが不要である上、内装変更等が自由にできる。 そのようなこともあり、福岡エリアは、当面、北九州市のオフィス1本に統廃合することとした。

(余談) 昔、大分で新築マンションの1階と2階を借りていたことがあるが、退去時に莫大な修繕費用を請求された経験があるが、自社保有の建物であれば気兼ねなく建物に手を加えられる。 この意義は大きい。


徹底した合理化により、極端に言えばワーキング・オフィスについては、オフィスレス・会社にオフィスは必要かに記したように、オフィスフロアが無くても仕事が出来る所まで到達した。

これはこれで経営的に正しい方向だとは考えるが、しかし、やみくもにオフィス・フロアを削るだけが正しいとは言えない。 今後、オフィスフロアは必要により増やす方向だ。

事業の拡大とともに、コールセンターのようなカスタマ・インターフェイスを取る機能の拡大が重要になってくるであろうし、比較的パートやアルバイトの方でもできる作業というのも増えてくると考えられるからだ。

例えば、最近シェアを伸ばした登記簿謄本の翻訳であるが、これは自社開発の特殊なソフトウエアを使って、ある程度自動的に処理を行う。 その自動処理を行うためのオペレータなどは、パートやアルバイトの方で良い訳だ。 そのような、パートやアルバイトの方が働ける場所が必要になってくるという訳だ。 あと、今後、美容・健康関連商品のインターネット販売も強化していきたいと考えている。 そこでもやはり倉庫兼作業場所としてのフロアが必要となってくるだろう。


福岡から九州全域へ

今は、福岡を大変気に入っている。 しかし、これからは道州制への移行を視野に九州全域をカバーする方向で進まなければならないと考えている。 何年先になるかわからないが、必ず道州制は実現すると考えているからだ。いや、実現させなければならないのだ。 九州を基盤とする翻訳会社として


そうなると、まずは、大分への再上陸ということになろう。大分には大分市と別府市の丁度中間あたりに土地も購入済みである。大分市からも別府市からも近いということは大きな利点である。なぜならば、大まかに言って大分市と別府市の両市に翻訳者の大部分が分かれて在住しているからである。この利便性の良い土地にオフィスを建築し、大分本社・大分翻訳センターとするのが夢である。尚、大分での事業に関する詳細は、別サイト「大分の翻訳・通訳サービスに関する方向性」にまとめていきたいと考えている。


だが再び大不況の到来で

ある程度、安定してきたと思いきや、2008年の後半より大不況に突入。 世界中がマネーゲームでギャンブルをする一部の人間の餌食となる。 当然、翻訳の依頼も激減し、翻訳会社間での生き残りをかけた静かな大戦争が勃発した。 翻訳会社ソリュテックは、登記簿謄本の翻訳で大幅なオートメーションを行ってあったので、まず、ここの分野は他の翻訳会社に侵略される恐れは無い。 しかし、とはいえ、登記簿謄本の翻訳のニーズそのものも落ちていて、なかなか厳しい状態。 ただいま、もがき苦しんでいる。


旅の中で様々な発見がある。 旅をしなければ気が付かないことがいっぱいある。 だから、私はこれからも、旅を続けるつもりだ。


翻訳会社ソリュテック 田吹 清己

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会社は小さな国家なり
福岡にきんしゃい


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